クラスター爆弾の存在

日本が未だクラスター爆弾を持ち続けている理由は何なのか。


クラスター爆弾とは、通常の空対地爆弾とほぼ同サイズのケースの中に、数個から数百個の子弾(爆弾や地雷)を搭載し、母機から投下後に空中でケースが破裂することにより子弾を散布させて広範囲にわたって小規模の爆発を引き起こすなどしてダメージを与えるものだ。無差別兵器であることに違いはない。戦闘後には5%が不発弾として残り、それが現在も地雷として戦地の子供たちを犠牲にしている。

世界ではクラスター爆弾に対して断固反対の意思が強い。当たり前だ。未だ地雷原で遊ぶ子供が犠牲になっている。後世にまで被害を及ぼす兵器が果たして本当に必要か。


航空自衛隊田母神俊雄幕僚長は、2007年5月25日の定例記者会見で、

「島国を守るのに大変有効。被害を受けるのは日本国民。占領されることと、どちらがいいか考えた時、防衛手段を持っておくべきだ。占領される被害よりも不発弾の被害は非常に小さい。国を守れずに人権弾圧などが敵性国によって行われれば、大変な被害が出る。防衛手段は持っているべきだとの認識を示した。」

と発言した。自衛隊クラスター爆弾を持っているのである。


正直憤慨した。”占領される被害よりも不発弾の被害は非常に小さい。”という発言は何だ。日本国の人間として、いやそもそも人間の道徳的観点からして実際に被害にあっている子供たちのことを考えれば、この発言はできないだろう。本当にがっかりした。

久間防衛庁長官の発言もおかしい。日本はクラスター爆弾の備蓄を放棄するとともに、積極的に廃絶への国際的流れに加わるべきである。これこそ、平和憲法を持ち、かつ唯一の被爆国日本の政府に課せられた責務、かつ国際貢献であり、国際的信用を獲得できる方策であると思われる。